2020.06.29 [プレスリリース]
AI医療技術「COVID-19肺炎画像解析プログラム Ali-M3」の販売開始
株式会社NOBORIは(本社:東京都港区、代表取締役:依田 佳久、 以下、「NOBORI」)は、胸部CT画像からCOVID-19による異常領域の存在可能性を抽出し、医師の診断支援を行う医用画像解析ソフトウェア「COVID-19肺炎画像診断支援プログラム Ali-M3」(以下、「本製品」)の販売を開始いたします。本製品は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づき、厚生労働省に医療機器の承認を取得※1しております。 COVID-19と日々対峙する全国の医療機関に広く展開して参ります。
1.背景
COVID-19の感染拡大は、国内外で深刻な社会問題に発展しています。国内では、感染拡大の第一波で医療崩壊寸前の危機に迫られ、国家「緊急事態宣言」が発令されました。現在、緊急事態宣言は解除されましたが、第二波に備えた予防対策や迅速診断・ワクチン・治療薬の開発は急務とされています。今後の経済活動の回復には、このような新規の医療技術開発が不可欠です。
COVID-19の確定診断はPCR検査により行われますが、肺炎疑いの症状を有する患者では、診療時に胸部CT検査が実施されるケースも少なくなく、検査直後にCOVID-19肺炎所見の存在可能性の判断補助を行うツールは有益であると考えます。特に、日本は世界有数のCT保有国※2であり、通常診療や救急診療でのCT検査は一般的とされていますので、肺炎疑い患者のトリアージ※3の補助ツールとして、本製品が広く活用されることが期待されます。
本製品は、医師の判断の補助ツールですが(医師の判断無しに確定診断を行うものではありません)、COVID-19と日々対峙する全国の医療機関における医療崩壊を食い止める手段、及び医師、看護師をはじめとする医療従事者の方々のご負担を少しでも軽減する手段として、お役に立ちたいという想いで開発して参りました。
2.本製品について
本製品は、アリババクラウドの開発機能を担うAlibaba Damo Technology CO., Ltdによって開発されたAIアルゴリズムを活用したプログラムです。主な機能は、「COVID-19肺炎に見られる画像所見の確信度提示機能」及び「関心領域のマーキング機能」になります。本製品プログラムは、7,038例の検査画像データ(内COVID-19肺炎の検査画像データ3,067例)を学習データとして用い、ディープラーニングを活用して開発されています。
今般、国内検査画像データ(約800例)を用いた臨床性能試験により、本製品の精度評価を実施し、製造承認の取得に至りました。エムスリー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:谷村 格)と共に推進する、エムスリーエッジサーバー(NOBORIユーザー施設では、NOBORI CUBEで併用可能)を用いることで、院内PACSと接続し、多くの医療機関にご活用頂けるよう努めて参ります。
3.特別無償支援について
全国の100施設の医療機関を対象とし、4カ月間の無償支援も行います。本製品の利用を希望される医療機関は、下記URLの応募ページよりお申込み下さい。エントリー頂いた施設様に先着順に詳細のご案内をさせて頂きます。
■エントリー応募ページURL
https://m3comlp.m3.com/lp/m3com/covid19_dokuei
エントリーには、エムスリーが運営するm3.com会員資格が必須になります。会員登録をされていない方は、ご登録後の申請をお願い致します。
尚、本製品開発は、ソニー株式会社の「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」により、資金面での開発支援も頂いて推進をしています。
※1 エムスリーの子会社である株式会社MICメディカル(本社:東京都港区、代表取締役:三橋 正伸)が製造販売業を担い、承認取得をしました。
※2 OECD Health Statistics(2017年)では、人口100万人に対し111.49台で、2017年時点のデータがある34カ国の中で最も高い数字です。
※3 傷病の緊急度や重症度に応じて治療優先度を決めることです。災害時の医療救護に当たっては、現存する限られた医療スタッフや医薬品等の医療機能を最大限に活用して、可能な限り多数の傷病者の治療にあたることが必要とされています。(東京都健康福祉局 / https://www.fukushihoken.metro. tokyo.lg.jp/iryo/kyuukyuu/saigai/triage.html)
■協働パートナー
エムスリー株式会社について
日本の医師の約9割が登録している医療情報配信ポータルサイト「m3.com」を運営しており、製薬業界を中心にマーケティング支援サービスや治験支援サービス等を提供しています。また、米国、英国、中国など海外への事業展開も積極的に進めています。2017年4月にはM3 AIラボを発足し、画像診断を含めたAI医療機器の開発支援など先端医療分野での事業拡大を推進しています。
エムスリー株式会社の詳細情報はhttps://corporate.m3.com/をご覧ください。